ブロンズ製 仏陀坐像

スリランカ、キャンディ王朝時代(17〜18世紀)

寸法:高さ5cm

この小型のブロンズ製仏像は、スリランカ(当時のセイロン)のキャンディ王朝時代(17〜18世紀)に制作されたものです。仏陀は、蓮華座の上に座しており、足を組んで両足裏を上に向ける「跏趺坐」をとっています。両手は膝上に置かれ、「禅定印」を結んでおり、これは瞑想と悟りへの集中を象徴しています。伝承によれば、仏陀が悟りを開く直前、聖なる菩提樹の下でこの姿勢で深い瞑想に入ったとされています。 像の顔立ちは穏やかで、内なる平安と悟りを表す静けさが感じられます。両目の間には小さな白毫があり、これは仏陀の三十二相の一つとされる「巻き毛の白い光の毛」で、美と超越性の象徴です。 仏陀の体は、片方の肩から足首まで覆う布で包まれており、その布には細かなひだ(シワ)が彫り込まれています。これは「本波式(ほんぱしき)」と呼ばれる布表現の初期の形で、波打つような繊細な折り目が特徴です。頭部には尖った形の宝冠のような装飾が施されています。

仏陀の髪の秘密 :

多くの仏像では、仏陀の頭部に小さな巻き毛(カーリーヘア)がびっしりと彫られています。しかし実際の仏陀は、出家の際に剃髪しており、髪は「無知の根源」とされ、悟りの障害になるものと考えられていました。 では、なぜ仏像には巻き毛が表現されるのでしょうか? ある伝説によれば、仏陀が菩提樹の下で瞑想していたとき、炎天下の暑さから彼を守るために108匹のカタツムリが頭上に這い上がり、その粘液で冷却しようとしたといいます。仏陀が悟りを開いたとき、カタツムリたちは太陽の熱により命を落とし、殉教者としてその存在が刻まれるようになりました。そのため、仏像の頭部には108個の小さなカールが彫られ、仏陀の悟りと守護の象徴として今も伝えられています。