部分鍍金 銀製ルネサンス・ベーカー(酒杯)

スイス、グラウビュンデン州、16世紀後半 寸法:高さ 7.1cm、直径 8.8cm

この部分的に鍍金された銀製のベーカーは、1580年頃のスイスで制作されたものです。無銘ながら、精緻な彫金技術によって装飾が施された、非常に優美な工芸作品です。 本体は、成形されたドーム状の台座に鋳造の短い脚輪が付いた構造で、その上にカップ部分が載っています。台座の外周には、花や葡萄の蔓模様が密に彫刻されています。カップの滑らかな銀地には、月桂冠に囲まれた山羊の図があしらわれていますが、これはおそらくスイス・グラウビュンデン州の紋章に関連する意匠、またはその変形と考えられます。その上に描かれた冠は、家系の紋章であれば社会的地位を示すものとされ、さらにその下に刻まれた「M.S.M.」のイニシャルが家名や所有者を示唆している可能性もあります。 口縁部は鍍金が施されており、3人の男性の肖像が描かれたメダリオンとアラベスク模様で飾られています。内側全体にも鍍金が施され、豪華さを際立たせています。