この16世紀の銀製聖杯は、1587年から1593年の間にスペインの銀細工師グレゴリオ・デ・アバウンサ(Gregorio de Abaunza)によって制作された、後期ルネサンスを代表する宗教美術の傑作です。制作地は、かつてカスティーリャ王国の首都であったブルゴスで、著名なゴシック様式の「聖母マリア大聖堂(ブルゴス大聖堂)」で実際に使用された可能性もあります。
この聖杯は高さ21cm、重さ450gで、部分的に鍍金が施されています。中世以降好まれてきた建築的なフォルムを保持しつつ、細密な彫金・彫刻・打ち出しによる幾何学模様で美しく装飾されています。胴体部分は滑らかで、下部には装飾的な渦巻模様が巡り、上部には鍍金の帯が施されています。内側全体にも鍍金が施されており、荘厳で儀式的な美しさを引き立てています。
台座の裏面には、ホールマークと作者の刻印が確認できます。