ムガル帝国 白翡翠装飾短剣

インド、18世紀

寸法:長さ34.5cm 

このムガル帝国時代(18世紀)の短剣は、当時のインド貴族階級に典型的な武器のひとつです。

短剣は、剣・盾・槍と並ぶ近接戦闘用の重要な武器であり、ムガル軍がインド亜大陸で最も支配的な軍事力のひとつとなるのに大きく寄与しました。 本品の柄は、きわめて希少な白翡翠で作られており、滑らかで半透明の質感を持ち、丁寧に彫刻された花の装飾が施されています。このような白翡翠は南アジアでは極めて入手困難であり、その稀少性と美しさゆえに、高貴さと洗練を象徴する素材とされました。 刃は高品質なダマスカス鋼で鍛造されており、繊細な文様と鋭利さを兼ね備えています。鍛造の過程では、鎖帷子を容易に貫通できるよう、刃先が特に広く作られています。 この短剣は実用的な武器としてのみならず、身分や文化、民族的アイデンティティを示す象徴でもありました。ムガル時代の豊かな文化遺産や職人技の高さを今に伝える、美術工芸品としても優れた一品です。