シャンルヴェ七宝装飾 銅製ナヴィクラ

フランス、リモージュ、13〜14世紀

寸法:24.5 × 6.5cm 

このナヴィクラは、13〜14世紀のフランス・リモージュで制作された、七宝装飾が施された鍍金銅製の典礼用香炉です。「ナヴィクラ」とはラテン語で「小さな船」を意味し、形状が小舟に似ていることから名付けられました。典礼で香を焚く際に香を入れておく容器として用いられました。 制作には「シャンルヴェ」と呼ばれる七宝技法が用いられており、まず金鍍金を施した金属板に凹みを彫り込み、そこにエナメルを流し込んで焼成することで彩色を加えています。この技法は中世のリモージュで盛んに行われ、美術工芸品として高い評価を得ていました。 香炉の両側の取っ手は蛇の形を成しており、蓋には2体の天使が立体的に表現されています。天使はこの作品の主要モチーフであり、そのキリスト教的な儀式用途を強く示しています。また、器の台座や柄の部分には開花した花々や、鮮やかな緑や赤のラインによる幾何学的・植物的な装飾も施され、当時の高度な工芸技術と美意識を物語っています。